●アルミ合金と表面処理についてのひとこと

アルミ合金。  クルマやバイクのチューニング部品の製作では欠かせない材料です。

もちろん、ひとことにアルミといっても多種多様ですが、こと機械部品、競技車両に使われるものと

なると意外に限られてきます。 アルミもステンレスと同様、強度(硬さ含む)と耐蝕性は反比例

する傾向にあります。 オールラウンドプレイヤーは存在しません。

因みにアルミの種別はたいていアルファベットのAの後に4桁の数字を付けて表示されます。

例えばA5052Pとか。 この中でいちばん先頭の数字で系統が大別されます。

末尾のアルファベットは材料形態を表していまして、「P」は板材、「B」は棒材ということです。

我々が使う代表的な材料は以下の通り。

●A1000系(純アルミニウム系)

純アルミです。 機械部品としては弱すぎるため、ほとんど使われません。

●A2000系合金(アルミ−銅系合金)

銅を3.5%以上含有する高力アルミニウム系。鋼材に匹敵する強度を持ち、もともとは航空機用

に造られたモノ。ジュラルミンとして有名なA2017、超ジュラルミンと呼ばれるA2024

があります。 クルマ、バイクのパーツとしてもっとも使われる材質です。 ただし銅の含有量が

多いため、耐蝕性、溶接性、表面処理性が悪いです。 熱処理(溶体化処理)により強くします。

●A5000系合金(アルミ−マグネシウム系合金)

いわゆる「耐蝕アルミニウム」と呼ばれ、高い耐蝕性と適度な強度を持ち合わせているために

一般的にも非常によく用いられる材種です。A5052(板材)A5056(丸材)が有名です。

溶接性、表面処理性も良好です。 私などは一般に「アルミ」というとこの系統のことを指します。

●A6000系合金(アルミ−マグネシウム−ケイ素系合金)

アルミサッシに使われるのがこれです。A6061/A6063がメインですね。押し出し

成型性が非常によく耐蝕性も抜群です。そのままでは強度的に若干劣りますが熱処理によって

向上します。  バイクやクルマのチューニングパーツとしてはあまり使われません。

●A7000系合金(アルミ−亜鉛−マグネシウム−銅系合金)

最強のアルミ合金系列です。 「零戦」の機体に使用されたことでも有名です。

いわゆる「超超ジュラルミン」A7075を筆頭に、A7079(ANP/B79)、A7089

(ANP/B89)と派生してさらに強い材質が開発されてます。

最近では「アルミーゴ」と呼ばれる最高引張り強さ、最高硬さをもったジュラルミンも登場して

おります。 これは引張り強さで60kg/mm^2以上もの数値を持っています。

価格も高い材料ですが、極限まで軽くしたいレーシングカー、バイクのパーツに多用されます。

ただし、耐蝕性はよくなく、溶接性も実用的ではありません。 表面処理性は比較的良好です。

これも熱処理によって硬くします。因みにアルミの場合もこのことを「焼き入れ」と言ってます。

●アルミニウムの表面処理

●アルマイト

これは聞いたことがある処理と思います。正確にはアノーダイズ/陽極酸化処理といい、

アルミの表面に硬質な多孔質の酸化皮膜を作り、耐蝕性と表面硬さと美観を与えるものです。

つまりアルミ表面自身が酸化される処理のため、メッキやコーティングとは全くちがいます。

よくアルミの部品に赤、青、金、緑、紫…といったカラフルな色がついてますが、これは装飾

(もちろん耐蝕性も)を目的としたカラーアルマイトです。多孔質の表面に色素を染み込ませ

たものです。  ですが我々がレース用、チューニングパーツ用によく行うアルマイトは

「硬質アルマイト」というのがメインで、より硬く、耐摩耗性を重視したものが多いです。

硬いといっても所詮アルミ…と思われるかもしれませんが、皆さんはサンドペーパー(紙やすり)

を御存じだと思いますが、あの紙の裏にはよく「ALUMINIUM OXIDE」と書いてあります。

つまりあの鋼材を削るサンドペーパーの砥粒こそが酸化アルミニウムなんです。硬質アルマイトは

これが表面を覆ってると思ってください。いかに硬いものであるか想像つくと思います。

なお、最終的な表面硬さは材種によって変わります。 銅の含有量が多いA2000番台は硬さ

が上がりにくいです。  酸化皮膜厚さは一般に1/100〜5/100mm程度です。

●タフラム処理

硬質アルマイトの硬さに、テフロン(PTFE)の低摩擦性、自己潤滑性を付加したものです。

処理の途中までは硬質アルマイトと同様で、多孔質の表層にテフロンの微粒子を染み込ませた

ものです。 非常に有用な処理で、私も注目しています。 三菱マテリアル(株)の商標です。

●クロメート処理

通称アロジンと呼ばれる化成処理の一種です。 一般に淡い金色で若干の虹状の模様ができます。

目的は単に防蝕と装飾で、厚さは5/1000mm程度で硬さもありません。 ネームプレート

等によく使われます。

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