●ベリリウム材についてのひとこと
●あたりまえのことですが、市販のクルマやバイクをレース等で使うために、より軽量、高強度な
材料にてパーツを作り、同時により精度の高いモノにすることができます。
その材料の中で最近注目なのが「ベリリウム」です。
今までにも私は「ベリリウム銅」「ベリリウムアルミ(アルベメット等)」としては加工したり実際に
手にしたことはあるのですが、よりベリリウム含有度の高い(50%以上)合金についてはせいぜい
スピーカーの高音用振動板くらいしか見たことはないです。
要するに、この材料についてはまだ情報収集中でして、実戦投入(笑)はしてないのですが非常に
興味深い特性をもっている事だけは事実です。
●非常に軽い
この「ひとこと」でも触れてきましたが、軽くてある程度の機械的強度のある金属としてはA7079に
代表される高力アルミニウム(比重約2.8)、チタン合金(比重約4.5)、やや強度は落ちますがマグネ
シウム合金(比重約1.7)がありますが、ベリリウム合金はさらにこれよりも軽い比重1.5程度という話。
●機械的強度がある
これについてはまだ検討中ですが、数字だけを見ると熱処理をしてない程度の炭素鋼と同程度、すなわち
アルミで言えばA2017程度の引っ張り強さがありそうです。 さらに重要なことはこの強度が高温に
おいても維持されるらしいということ。 もちろん耐酸化性も充分なようです。 耐疲労性は…??
●延びが非常に少ない
これはハッキリ言って機械強度部材として使うにはマイナスです。 通常金属が破壊するときはある程度
延びて、それが限界に達した瞬間(これを降伏点といいます)破損するのですが、「延びる」間もなく
一気に破損されては非常に危険です。 このへんはまだ不安要素でもあります。
●毒性が高い
これも厳しいですね。 ベリリウムという金属は非常に毒性が高く、加工中の粉塵等を吸い込むと非常に
有害で、大量に吸い込むと鉛同様中毒症をおこし、最悪は死に至ります。
因みにこの材料はすでにF1の世界ではエグゾーストマニホールド等に使用されてるとのことです。
扱いは難しい材料ですが、もう少し詳細がわかったらぜひ使ってみたいと考えていますので、この材料
の特性、および取り扱いについて詳しい方は情報をお寄せいただけると幸いです。
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