●「鍛造」ついてのひとこと

●鍛造と聞くとどういうイメージを持たれるでしょうか? 漢字からして「鍛えて造る」という

ことから、いかにも強いように感じますよね。  でも、言葉に騙されてはいけません。

鍛造という製法に関しては決まった定義、規格と言うものは全くなく、単に金属を常温、および

高温において塑性変型させて加工、成形したもの一般を指してすべてそう言います。

つまり、例えば金属の丸棒を手で曲げただけでも立派な「冷間鍛造」であり、バーナーで炙って

曲げればこれも立派な「熱間鍛造」です。

JISに於いて規格として規定されているものは「鍛鋼品」としてSF材があるだけで、これは主に

鉄道のクロッシングレール等に使用されています。 「品」と名がついている通りすでに決まった

形の製品になっているもので、ブランク材料としては存在しません。

ですのでよくある「鍛造材使用」という言い方は間違っているのです。「鍛造材料」などという

ものは存在しません。 「鍛造品削り出し」なら意味は通りますが。

しかし言い方を変えるなら、材料として販売されている棒材、板材はすべて引き抜きや圧延に

よっておこなわれるため、鍛造といえばすべてが鍛造ということになりますが…(笑)

 

●この鍛造と大局にあるのが鋳造とも言えますが、とくに最近の軽合金、すなわちアルミとか

マグネシウムでは鍛造と鋳造とが明確には区別できない製法も多いです。

溶解、あるいは半溶解状態で高圧をかけて成形するような方法が多くなってきた今、軽合金に

おいてはもはや鍛造と鋳造という単純な比較は意味をなさないものと考えています。

ですので、例えばアルミホイールやピストン等でも単純に「鋳造=弱い、鍛造=強い」等と

いうのはもはや前時代的な発想でしょう。 現在では鍛造というのは強さをイメージさせる意味で

言葉だけが一人歩きしてるようなものです。

 

●本当の意味での鍛造と呼べる製法は、昔ながらの日本刀の製法くらいなものではないでしょうか。

たたら製鉄法によってのみ得られる高純度、高炭素の「玉鋼」を何度も何度もくり返し叩いては

伸ばしする工程によって、単に形状を造るだけではなく材料そのものを改善し、文字どおり鍛え

上げることができます。

これは機械で数回の工程のみで作り上げる鍛造とはあきらかに違いますし、さらに言えば機械では

刀鍛冶が造り出すような「本当の鍛造」を再現することは不可能だろうと思います。

 

そういう意味では現在の「鍛造」はどちらかというと「圧造」と表現したほうがいいかも知れません。

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