●慣らし運転についてのひとこと
●新車を購入したらやっぱ大事に永く乗りたいもの。 誰でもそう考えると思いますが、そこで
必ずといっていいほど気になるのは「慣らし運転」ですよね。
本などでもいろいろと慣らし運転の効果的なやりかたについてはいろいろ書いてありますが、要は
街乗りで普通に乗ってやるだけで充分に慣らしになってしまうというのが結論だと考えます。
基本的にはレッドゾーンの半分あたりの回転数までで最初の1000kmまでは走るのですが、この時
注意しなければならないのは「負荷」です。 たとえば同じ3000rpmでも2速の3000rpmと5速の
3000rpmではエンジンにかかる負荷は全然違ってきます。 レシプロエンジンの場合、負荷がかか
ればかかるほどピストンの側圧が高くなりますので、この点に留意する必要があります。
●潤滑の原理から言えば、回転運動をしているクランクシャフトやカムシャフトなんかよりもこの
ピストン/シリンダーの往復運動はもっとも油膜が切れやすい箇所になるわけで、慣らしをきちんと
おこなったエンジンと、そうでないエンジンではシリンダーとピストンをバラしてみると歴然とした
差が見てとれます。 設計上のエンジンの回転上限がピストンスピードを基準にしていることからも
この部分がもっとも潤滑に厳しいことはお解りいただけるかと思います。
シリンダー/ピストンに傷がつくと当然気密性が悪くなって吹き抜けが多くなり、パワーや燃費
にも影響が出ますし、ブローバイガスの発生も多くなります。
因みに、純正のピストンでは初期なじみをよくするためにモリブデンコートを施したものもありま
すが、あんなもの気休めにしかなりません。
以上の事から、回転数ばかりに気をとられずにエンジンにかかる負荷と併せて乗り方を工夫して
やるといいでしょう。
↑慣らし運転をまったくやらずにいきなりサーキットを走ったエンジンのシリンダー。
傷だらけです。 もうこうなるとボーリングしてオーバーサイズにするしかありません。
●逆に1000km程度走ったら、少しづつ回転、負荷ともにかけていってやるといいと思います。
それで3000kmも走ったら今度はガンガン回して、それも高いギアで負荷と回転の両方をかけて
やりましょう。 1速や2速の低いギアでエンジンを回しても意味ありません。 高いギアでやる
からこそ効果があるのです。 ここでこれをやるかやらないかでそのエンジンがその後、いわゆる
「よく回るエンジン」「壊れにくいエンジン」になるかどうかが決まると思います。
●因みにオイル交換ですが、個人的には1000kmまでは新車時のままで構わないと思います。次は
2000km後、その次は3000km後…という感じでしょうか。
乗り方にもよりますが、10000km程度走ったらミッションやデフのオイルも交換してやったほうが
いいでしょう。
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