●サンドブラストおよびWPC加工後の注意についてのひとこと

●サンドブラスト(ショットブラスト)やWPC加工というのは、金属表面の改質を行ない、圧縮の

残留応力を発生させ、耐疲労性を向上させたり微細な凹凸をつくり出すことによって含油性が向上

し潤滑の助けをしたり、表面積が広がることにより放熱性が向上するなどいろいろ有用な処理です。

ですが、このブラストやWPCにはその処理後に意外な盲点があります。

サンドブラストとWPCは詳細は違いますが、基本的には微細な粒子(主にガラスビーズや研磨砂)

を高圧で金属表面に吹き付けることによって処理します。

●実はこの際、金属表面は瞬間的とはいえ非常に高温になり(粗い砥粒を使用するときなどは火花

が散るのでよくわかります)砥粒が叩き付けられた瞬間に金属の極表面が溶融し、砥粒が金属表面に

埋め込まれてしまうことがあります。

実はこれがクセモノで、埋め込まれてしまった砥粒はそのまま組み込んで動作させると、ちょうど

研磨のコンパウンドのように磨耗を促進させていきます。 これではまさに本末転倒です。

ですので、たとえばクランクシャフトやメタルに上記処理をおこない、そのまま組み込んだ場合、

メタルが異常磨耗したり、スプライン部やテーパー勘合部が異常磨耗してガタガタになったりという

結果が起きるのです。

 

●では、これを防ぐにはどうすればいいかといいますと、最も効果的なのは超音波洗浄機にかける

ことです。 もちろん家庭用の弱いものではなく、工業用のしっかりした出力のあるもので最低5分

以上洗浄します。 これによって埋め込まれたり、微細な凹凸に入り込んで固着した砥粒はほとんど

取り除くことができるはずです。

ですが高圧で吹き付けられたWPC等の場合、これでも100%取り除くことは不可能だと思われます。

●当方では、サンドブラストやWPCを行なった製品はかならず超音波洗浄機にかけてから出荷して

います。(品物のの大きさによってはかけられないものもありますが、長さ600mm程度までのもの

であれば全てかけられます)

また、サンドブラスト処理はとくに溶着しやすいアルミ等の軽金属に対しては、空気圧を下げる

などして可能なかぎりトラブルが起きないように対処しております。

 

●私が知る限り、これらのことは意外に知られていないような気がします。

戻る

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送