●セミオートマチックについてのひとこと
●最近の乗用車、それも普通のセダンやワゴンはもちろん、スポーティーな車種でもATのみという
設定も多くなってきました。 これには限定免許の普及もあると思います。
私はとにかくMT派なのでこれは個人的にはとても悲しいことなのですが、とりあえず「時代の流れ」
として捉えるしかなさそうだとは思っています。
●そこで増えているのがいわゆるマニュアルモード付きのATミッションですが、メーカーはこれを
MTの「代用」とでもしたいのでしょうか。 しかしながら多くのこの手のATは機構そのものは所詮
トルコンをそのまま使用しただけで、操作系だけをマニュアルっぽくしたてただけの中途半端なもの
にしか私には見えません。
これが流行りはじめたのはやはり80年代後半からF1で使われはじめた「セミAT」の流れからなので
しょうが、単に「クラッチのないMT」というものはもっと旧くからあります。
スポルトマティックとか、いすゞが使っていたNAVI-5なんてのもそうですね。 いわばロボット操作
のATとでも言いましょうか。 でも、構造的にはこちらのほうが現代のマニュアルモード付ATよりも
はるかにセミATに近いような気がします。
●という訳で、本来のセミATと一般車の多くが採用しているMTモード付ATは操作手順だけから見れば
似たように見えるかもしれませんが、考え方や構造は全く異なるものです。
言ってみれば、本来のセミATは「マニュアルミッションをベースにAT化したもの」であり、多くの
市販セミATは逆に「ATミッションをベースに操作をマニュアル化したもの」とでも表現しましょうか。
●本当のセミATを実現するためにはミッションだけのコントロールではダメで、エンジンのスロットル
と連動して同時にコントロールする、いわゆるフライ・バイ・ワイヤーと組み合わせる必要があります。
例えばシフトダウンの時、その行程は「クラッチを切る」→「シフトダウンをする」→「アクセルを
煽ってエンジン回転を次のギアにあわせる」→「回転があったところでクラッチを繋ぐ」という一連の
動作を瞬間的におこなう必要があります。
フェラーリはまさにこれをそのまま使用して市販してますね。 (ただ、さすがにまだ完成の域とは
いえないようですが)
●でも、いくらセミATが進化しても、ちゃんとクラッチとシフトを自分で操作する楽しさはやはり
純粋なMTでしか味わえない楽しみだと思います。
レース車では許されないミスも、趣味で乗っているクルマならたとえシフトミスをしても、それは
それでドライビングの楽しさとしてMTでしか味わえないものですし。
そんなわけで、どんどんMT車が消えていく現状がやや淋しいと思ったので書いてみました。
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