●エンジンの排気量比較についてのひとこと

●現在、自動車用、バイク用ガソリンエンジンには大きく別けて4サイクル、2サイクル、そして

ロータリーエンジンがあります。

そして、エンジンの容量というか、クラスを決めるのにいちばん多く使われているのが、皆さん

ご存知の「総排気量」です。

しかし、この「総排気量」での比較というのは、同一システムのエンジンでのみ有効で、異なる燃焼

サイクルのエンジンとの比較、つまり4サイクルと2サイクルとか、4サイクルとロータリーとかでの

直接比較に用いるのは、やや疑問を感じております。

 

●単位回転数あたりの燃焼回数、および実質燃焼排気量

いちばんわかりやすい比較がクランク1回転あたりの燃焼に寄与する排気量での比較ですね。

レシプロエンジンでは1気筒あたりで見ると2サイクルではクランク1回転で1回、4サイクルでは

クランク2回転で1回の燃焼になることは今さら言うまでもありません。

ですので、2サイクルは1回転で総排気量がすべて燃焼しますが、4サイクルは総排気量の半分

しか燃焼しません。

それではロータリーの場合はどうでしょうか。

素人目で見ると、ロータリーエンジンはたった1300ccであれだけのパワーが出せるのだから

かなり効率のいいエンジンのように思えてしまうものです。

ですが、ロータリーエンジンの燃焼サイクルをこの単位回転数あたりでの排気量で比較してみれば

これは当然のことと言えます。

たとえば、4サイクル6気筒3000ccのエンジンがあります。 これをクランク1回転あたりのパワー

に寄与する排気量で見ますと、クランクの1回転では半分の3気筒ぶん、1500ccしか出力として

取り出せません。

では、ロータリーはどうでしょうか。 13Bエンジンですと1ローター約650ccですが、ご存知の

通りローターは1回転で3回燃焼します。 また、出力軸のエキセントリックシャフトはローターの

1回転で3回転します。 つまり、エキセントリックシャフト1回転につき1回の燃焼をすることに

なります。 これが2ローターそれぞれで発生しますので、つまりエキセントリックシャフト1回転

あたりの排気量はそのまま1300ccとなるわけです。

つまり1300ccのロータリーは、4サイクルレシプロで言うと2600ccに相当するわけです。

そう考えると、現在はなくなりましたが3ローターの20Bなどはレシプロ4サイクルの4000ccにも

相当することになるわけです。 もちろん、ロータリーが排気量に比してパワーを出しやすい要素

はこれ以外にももちろんあります(逆に、熱効率の悪い面もあります)が、単に排気量比較ですと

ロータリーは2サイクルレシプロエンジンと同じということになります。

エンジンというのは停止しているわけではありません。 常に回転して動作しているわけですので

こうした「実作動時の比較」をしないと意味がないと私は常々思っております。

 

上記比較は言ってみれば「実効排気量」とも言える比較ですが、同じことが「圧縮比」にも言えます。

よくカタログなどに書かれている圧縮比はシリンダーボリュームに占める燃焼室容積の比でしかなく、

実質的な「圧縮圧力」とは異なります。

たとえば、同じエンジン、同じ圧縮比でもカムのオーバーラップを変えれば圧縮圧力は変わります。

エンジンが回転しているときに重要なのは、この実効圧縮圧力のほうです。

ですので、こうした要素を無視して圧縮比の数値のみを比較して高圧縮否かを決めるのは早計と言え

ると思います。 これについては、また機会があれば書きたいと思います。

 

●あと、この他に排気量比較で異なるものには過給機、即ち、ターボチャージャーとかメカニカル

チャージャー(通称スーパーチャージャー)の有無でもNAエンジンとの比較ではかなり異なること

になります。 実際、レースではシングルターボで1.4、ツインターボで1.7などと「係数」なるもの

を決めたりしてますが、これとてレギュレーションの便宜上のもので、実質的に意味のあるものとは

思えません。

ただ、今回のテーマはあくまでエンジン本体の容量の問題ですので、この過給機については無視して

書かせていただきました。

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