●鏡面仕上げについてのひとこと

●よくバフ磨きやメッキ仕上げの際に「鏡面仕上げ」という表現をされることがあります。

一般には、単に磨いてピカピカに光っている状態を指すようですが、厳密には「バフ仕上げ(或いは

光沢仕上げ)」と、「鏡面仕上げ」は異なるものです。

と、言いますのも私の場合は昔からゲージ関係や、精密仕上げ(ラップ仕上げ)等をやってきた

こともあり、この「鏡面」という言葉の意味合いは厳密には違っており、雑誌などで氾濫している

のがちょっと気になることが多いので、いちおう書いておきたいと思います。

 

まず、通常、バフやメッキによって光っている状態ですが、これは鏡面とは呼びません。

よく、エンジン加工でポートやピストン上面、あるいは燃焼室などをピカピカに光らせて「鏡面」

と言われる方がいますが、これはいくら光っていても鏡面とは呼びません。

本来「鏡面仕上げ」というのはただ光っているだけではダメで、傷や曇りがないのは勿論、その

「平面度」、つまり面精度がミクロンオーダーで要求される仕上のことを言います。

たとえて言うならば、顔を映したときに、ただ映っているだけでなく、まさに「鏡」のように

まったく面の歪みなく映っている状態を言い、たとえば顔が写っていても少しでも歪んで写って

いたらそれは鏡面とは言わないのです。

少しでも目で見て面の歪みが残っている場合はいくらピカピカに光っていても「鏡面」とは呼ば

ないのです。

つまり、鏡面仕上げの定義とは「面粗度」だけでなく「面精度」も必要なのです。

例で言えば、精度ランクの高いブロックゲージの測定面のような仕上げを鏡面仕上げといいます。

いわゆるラップ仕上げ面などがそれに当たります。

もちろん平面だけでなく彎曲している面や、球面もありますが、たとえば円筒面の場合は、照明の

光を当てたときに、光の筋が歪まずに一直線に映るような状態のことを言います。

同様に球面の場合もよけいな歪みのない、球のRに沿った映り込みをしているものを指します。

 

つまり「鏡面仕上げ」というのは本来は非常に高度な精密仕上であり、そうそう安直に使うべき言葉

ではないということを知っていただけると嬉しいです。

つまりほとんどの場合、光らせることを目的でおこなうバフやメッキによって光らせた光沢面は、

あくまで「光沢仕上げ」であって「鏡面仕上げ」ではないということです。

これは極端な話ですが、ちゃんと鏡面仕上げとバフ仕上げの違いがわかっている業者に安易に「鏡面

仕上げお願いします」などと発注してしまうと、たとえばバフ仕上げで5000円のものが、鏡面仕上

げと言ってしまったばかりに10倍、20倍以上の金額になってしまうことさえあります。

用語の乱れはこうした誤解につながりますので、これについては個人の方というよりも、業者の方に

もきちんと勉強して使いわけていただきたいと常々思っています。

 

もちろん、当方でも実際はそこまでうるさいことは言いませんので、オーダーを受ける時にお客様

から「鏡面仕上げしてください」と言われた場合でも、その品物や用途によって「バフ仕上げですね」

と適宜判断してキチンと言いますので、そのへんはご安心下さい。

あくまで上記の記述は専門的な見方をした場合の例ですので。

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