●クリーンディーゼルについてのひとこと

●最近はクリーンディーゼルと呼ばれるディーゼルエンジンの話題を多く聞くように

なりました。

乗用車に於いてのディーゼルエンジンの普及は欧州が先行していますが、日本や米国

では乗用車はガソリンエンジンが主流です。

最近のマスコミの風潮では「クリーンディーゼル」という呼称で、なおかつ地球温暖化

対策が叫ばれていることからまるでガソリンエンジンよりもディーゼルエンジンのほうが

排気ガスが綺麗かのような誤った解釈を与えかねない記述が多いのでこの点について書いて

みたいと思います。

 

たしかにCO2に限ってはガソリンよりもディーゼルのほうが一般的には少ないです。

しかしこれはディーゼルかガソリンかというよりも、単純に燃費の差です。

CO2はガソリンであろうが軽油であろうが、基本的に燃やした燃料の量に比例しますので、

たとえばリッター20km走るディーゼルエンジン車よりもリッター30km走るハイブリッド

ガソリン車のほうがCO2排出量は少なくなりますので、単純にディーゼル車がすべて

ガソリンよりCO2排出が少ないというのは誤りです。

また、地球温暖化の側面から最近はCO2の排出量ばかりが注目されますが、当然ながら

自動車の排気ガスの有害成分はCO2だけではなく、皆さんよく知るところのC0、NOx、HC

などの成分があり、またディーゼルではとくに問題になるPM(粒子状物質)もあります。

これらをトータルで考えないといけません。

ごく簡単な話をしますと、もしガソリンエンジンよりもディーゼルエンジンのほうが排ガス

が綺麗であるならば、なぜガソリンエンジンよりもディーゼルエンジンの排出ガス規制値が

緩いのでしょうか? これは矛盾しています。

ディーゼルのほうが排出ガスが汚いからこそガソリンエンジンよりも規制値が緩いのです。

これはクリーンだと宣伝されている欧州のディーゼルエンジンでも同じで、ガソリンエンジン

の排ガス規制に比べて今まではかなり優遇(と言っていいかわかりませんが)されていました。

ディーゼルの排ガス規制値がやっとガソリン並になってきたのはここ数年の話です。

 

ここまで読むとまるで私がディーゼル反対派のように感じてしまう方も多いと思いますが

そうではありません。 ここでディーゼルの話になるとよく出てくる東京都をはじめとする

都市部でのディーゼル車規制についての真意について書きたいと思います。

某都知事が推進したこの規制によって「知事はディーゼルを嫌っている」という誤った報道

が多くなされ、またそう思い込んでいる方も多いのに驚きます。

しかしこれはまったく誤った解釈であり、都知事が撲滅したかったのはあくまでも「従来

の汚い排気ガスのディーゼル車」なのです。

要するに、現状のままメーカー任せや一向に進まない国任せのディーゼル排気ガス規制では

いつまでたっても黒煙モクモクのディーゼル車は減らず、また、メーカーも採算性の理由

からディーゼルエンジンの排気ガス対策技術を進めないことから、それらを促進させるため

の「荒療治」として、条例を制定し例の規制をおこなったわけです。

また、あまり報道はされませんがこれはディーゼルだけでなく一部のガソリンエンジン車

も規制に含まれております。 決してディーゼルだけを狙い撃ちしたものではありません。

しかし偏った報道のためにこのあたりがねじ曲げられて解釈されているのは残念です。

要するに「汚いディーゼル車を駆逐し、クリーンなディーゼル車を普及させるための規制」で

あり、ディーゼル車すべてを嫌っているなどという解釈はまったくの間違いです。

むしろこの成果として、私の周りでも黒煙吐いて走るディーゼル車が本当に減りました。

それに国も世界一厳しい新しいディーゼル排出ガス規制も決め、また、メーカーもその新しい

規制値に合致する新しいディーゼルエンジンを現在急速に開発し、すでに販売も開始して

おります。 これはすばらしい成果だと私は思っております。おそらく国まかせにしていたら

いまだに日本では黒煙を吐きまくってるディーゼル車が走りまわっていたことでしょう。

(いちおう誤解のないよう書いておきますが、だからと言って私はこの某都知事の言動すべて

が良いこととは思っておりません。 ただ、このクリーンディーゼル推進に関して彼がおこ

なった功績は素直に賞賛されるべきことだと思っております)

 

なお、日本の自動車メーカーも欧州では普通にディーゼルエンジンを多く販売しております

し、その性能も決して欧州メーカーに劣るようなものではありません。 ただ、日本国内で

は販売も宣伝もしていないので、まるで日本メーカーがディーゼルをまったく作ってない、

遅れているかのような印象を与えてしまっていることも事実ですが。

 

●それでは、なぜ欧州ではディーゼルが急速に普及しても日本ではディーゼルが普及しない

のかについてですが、これには気候上の差や重視する環境性能の違いというものがあります。

ヨーロッパ、とくにドイツやフランス、イギリスといった国々と日本の東京近辺では緯度も

異なりますし、気候も異なります。

日本では昔、急速な経済成長とともに大きな公害問題となった「光化学スモッグ」というの

をご存知かと思いますが、これの主な原因はNOxであり、これはディーゼルエンジンから

多く発生するものです。 ですので、ディーゼルのイメージを悪化させた大きな要因でも

あります。

しかし、これは日本の都市部の気温や気候などが大きく影響してのものであり、先に挙げた

欧州の国々ではNOxが多くなってもまず光化学スモッグなどは問題になりません。

ですので、単純に燃費に有利(=CO2排出量の少ない)なディーゼルがもてはやされている

わけです。

どちらが正しい、間違ってるとかではなく、このへんの国による事情の違いが大きいのです。 

このへんのことをよく考えずに、ただ他国でうまくいっているからそれがそのまま日本でも

うまくいくだろうという単純な考えは通用しないことがあるのです。

 

また、いまだによく聞くこととして「日本の軽油は硫黄分が多いので欧州の軽油よりも質が

劣る」という間違った解釈もよく聞きます。

しかし日本の軽油は(違法なものを除き)すでにサルファーフリー(硫黄分0.001%以下)

となっており、軽油の質は世界でもトップクラスになっています。

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