●コイルスプリングのスペックについてのひとこと

言うまでもありませんが、現在は乗用車用サスペンションスプリングとしてはコイルスプリングが

ごく一般的です。

このコイルスプリングですが、皆さんが選ぶ際にやっぱり比較するうえで一番気になるのは「堅さ」

でしょう。 いわゆる「バネ定数」「バネレート」と呼ばれるものです。

当然数字が大きくなれば堅くなるので、そういう意味では間違いではありません。5kgf/mmの

バネは4kgf/mmのバネより堅いです。 

しかし、経験のある方も多いと思いますが「この4kgf/mmのバネよりこっちの6kgf/mmの

バネのほうがソフトに感じる…」ということがあることも事実です。 もちろんどちらかのバネの

スペックが間違ってる訳ではありません。

 

この理由はまずバネというものがどういった作用(仕事)をサスペンションでしているかを考え

ればわかりやすいです。

つまり、バネは路面からの入力で縮みます。このときの縮み量はバネ定数に従い、堅いバネほど

少ないです。  そして当然縮んだバネは自らのねじり弾性により元に戻ろうとして反発します。

つまり伸びます。 この過程、即ちバネが縮んでから伸びるまでの間、バネは入力されたエネルギー

を蓄えているのです。  ここがポイント。

たとえば同じ5kgf/mmのバネでも全長が短い(あるいは巻数が少ない)とその入力された

エネルギーがバネの体積内で蓄えきれず、その余剰なエネルギーは衝撃となってボディのほうへ

逃げてきます。

これが「ゴツゴツ」感の原因で、乗り心地の悪化やボディ、タイヤへのダメージとなります。

また、このときの余剰エネルギーを吸収しようと、ショックアブソーバーの縮み側の減衰力を高く

すると高速ピストンスピードにストロークが追い付けないため、さらに突き上げ感が強くなり

悪循環となります。逆に同じ5kgf/mmのバネでも全長が長い(当然巻数も多く、線径も太い)

と当然バネの体積が大きく、入力されたエネルギーを全体に分散されて吸収するための

「キャパシティ」が大きいので、余裕をもってバネ本体にエネルギーを蓄えることができるので、

ボディやタイヤに優しいのです。

まぁ、あえて欠点を上げれば体積が大きいということは質量が大きいということ…即ち「重い」

ということですね。

因みに、バネが伸びるときに発生する反発エネルギーはショックアブソーバーで吸収します。

 

つまり、バネは一種の「エネルギー貯蓄器」として捉え、堅さだけに囚われない見方、考え方が

必要なのです。

まとめて言うと、「同じバネ定数のバネならば、一般的に巻数が多いほうが乗り心地が良い」

と思ってください。

ただしいくら巻数が多くても、最近の「遊ばずに車高が下がる」バネに多い、実際に車体に取り付けて

1G荷重をかけたときに密着してしまい、有効巻数が減少してしまうようなのでは意味ありませんので。

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