●黒染め処理について
↑カムプレートの黒染め例(材質:SCM435、HRc38)
●当方では鉄鋼製品の簡易防錆皮膜処理「黒染め」をおこなっております。
●黒染めについて
黒染めとは、金属の表面に黒色の酸化皮膜を生じさせることで赤錆びを防ぐ防錆皮膜で、
いわゆる「黒錆び」のことです。 その他の呼び方としてはフェルマイト(フェロマイト)
と呼んだり、ブラックオキサイドや四三酸化鉄皮膜などとも呼称されます。
化学的には「Fe3O4」皮膜となります。
安価に錆を防ぐとともに、表面を黒くすることで美観を与えることが目的な処理です。
この皮膜は多孔質なので、そのミクロホールに防錆油や潤滑油を含浸させることで、
より錆びに強くなるとともに、油が染み込むことで自己潤滑性ももたせることができます。
ですので、防錆だけでなく摺動する部品の初期馴染みを良くしたい場合などにも有効です。
●黒染めの仕上がりの「色」について
通常の一般的な鉄鋼材の場合は仕上がりは基本的に「真っ黒」になりますが、一部の材質、
たとえば鋳鉄や焼き入れしてあるものは真っ黒にならずにやや赤みがかった黒になることが
あります。 また、たとえばSKD11など含有成分にクローム(Cr)やその他ニッケル(Ni)
などが多く含まれている特殊な合金鋼は黒くならずにグレーになりますのでご了承ください。
また、すでに錆びているものや、ワイヤーカットおよび放電加工した面については真っ黒
にならずに錆びたような色になることがあります。
↑プレートの黒染め例(材質:S45C)
●精度面について
金属の表面がそのまま黒化するので、寸法の変化はありません。(仮にあっても0.001mm
から0.002mm以下) ですので高精度なものでもまず心配はありません。
ただし、処理温度が約150度になりますので、それ以下の温度で焼き戻ししてあるような
材質の場合は、内部に応力が残っているとその熱によって反ったり歪んだりする可能性は
あります。 ただし、通常の焼き入れ部品の焼き戻し温度はこれより高いのでまず問題は
生じません。
↑ボールジョイント部品の黒染め例(材質:SUJ2、HRc60)
●黒染めできる材質
黒染めできるものは、ひとことで言えば「赤錆びするものは何でもできます」。 つまり
一般的な鉄、鋼(スチール)、鋳鉄などならなんでも可能です。
一方、アルミ、銅、マグネシウムなどの非鉄金属にはできません。
※アルミは黒アルマイトにて黒色化できます →アルマイトについて詳しくはこちら
●ステンレス材の黒染めも可能です!
各種ステンレスも特殊な方法により鉄鋼材同様に黒染めできますのでご相談ください。
↑ステンレス鋼への黒染め例1(オートバイ用サイドスタンド 材質:SUS304)
↑ステンレス鋼への黒染め例2(日産R35 GT-R純正マフラーカッター 材質:SUS409相当)
●表面の性状
黒染め後の表面の仕上げ面(粗さ)は、処理前と基本的に同じです。 つまり、元から
光沢のあるものは光沢の仕上がりになり、元から艶消しの面のものは艶消しの仕上がり
になります。 ですので、バフをかけて磨いたものを黒染めすると光沢のある黒い色と
なるので質感がアップします。 ※ただし、ステンレス材や一部の特殊な材質や熱処理
してあるもの、再処理などの場合はたとえ処理前に艶があっても黒染めすると艶消しに
なることがあります。
また、焼き入れ硬化してあるものや、部分焼き入れしてあるものは、その硬化した部分
が黒ではなく赤色っぽくなってしまうことがあります。 また、合金鋼など一部の特殊な
材料に於いては、内部の含有成分の影響で綺麗に黒く染まらないことがあります。たとえば
SKD11のようなクロームの含有量の多い鋼材は真っ黒にならずに灰色っぽくなります。
↑ベアリングケースの黒染め例(材質:S45C)
●金額、納期について
黒染めの価格は亜鉛メッキと同様で基本的に安価な処理です。
それだけに数量によって単価が大幅に変わるので、できればある程度数がまとまって
いたほうが1個あたりの金額は安くなります。
たとえば、M10くらいのボルト1本でも最低単価として3000円はいただきますが、
これが同時に10個とか20個あれば1個あたりの単価は500円かそれ以下と一気に
安くなるのです。
ですので、ある程度の数があったほうが価格的には有利になります。 もちろん、
同じものがたくさんである必要はありません。 まったく大きさや形状がバラバラ
な部品でも同時に処理できる数さえ多ければそのぶん安くなります。
なお、ステンレスの黒染めはやや高額になりまして、通常の鉄鋼材の4倍くらいの金額
になりますのでご注意ください。
黒染めの納期は数量やワークの大きさなどにもよりますが、だいたい1週間から10日間
程度が目安になります。 ステンレスの黒染めの場合は2週間程度が目安になります。
●以上ですが、より詳しい説明はメール等でのお問い合わせの際に追加でご説明いたします。
お問い合わせ、ご発注は以下のメールアドレスおよび問い合わせフォーム、携帯電話にて。
→メインのメールアドレス SASAMIC43@aol.com
→サブのメールアドレス FZB04140@nifty.ne.jp
→携帯電話 090-1531-3609
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