●エンジンオイルについてのひとこと
●クルマを趣味にしている人はけっこうオイルの銘柄や交換サイクルにも気を遣っている方が
多いと思います。 私もそれなりに気を遣っていますが、ここでは私なりにエンジンオイルに限定
して交換サイクルと、銘柄、グレード選択の基準を書きます。 あくまで私の個人的な考えです
ので、異論がある方も多いと思いますが(汗)
●使用するオイルのグレードですが、ガソリンエンジン用ですとSG以上であればもう気にする必要
はありません。 この後に続くSH、SI、SJ等は極限状態の潤滑性能とかエンジン保護性能という
よりもむしろ環境問題や燃費に対応したものですので、もう無視して構わないと思ってます。
●粘度ですが、エンジンの使用状況を考えたうえで、できるだけ粘度の低いものを選びます。
ただし100%化学合成であることが前提で、信頼あるメーカーのものを選びます。
本当に性能の良いオイルというのは、決して粘度に頼って潤滑性を出しているのではないので、
粘度が低いからといって全く心配する必要はありません。 むしろ高粘度のオイルのほうが怪しい
くらいです。 と、いうのも高分子ポリマー等で粘度を与えているようなオイルは、確かに新品時
には「15W-50」という性能を持っていても、1度熱を入れてハードにエンジンを使っただけで
高温域の粘度が10も20も落ちていまうようなモノが少なくありません。
ちなみに低温時の粘度を指す数値「W」は-17.8度C、その後の高温時の粘度を指す数値は98.9度Cの
粘度を表わしています。 これはあくまで単に粘度を示す数値でしかなく、決してそのオイルの潤滑
性能を表わしているものではないことに注意しないといけません。
●それと、気になるのは「このエンジンはノーマルだし、そんなに高価なオイルは必要ないよ」と
いうことを言われる方も多いですが、オイルのグレードは基本的に「そのエンジンの種類ではなく、
そのエンジンの使い方で決まる」と考えています。 つまり、同じエンジンでも使用状況が異なれ
ばオイルのグレードも変えるということです。 で、一般的には「ハードな使用状況」というと、
サーキット走行や連続高負荷、高回転で運転するような状況のみと思われるかもしれませんが、
機械としてエンジンを見た場合、実はそれより普段の街乗り、とくに通勤や営業で短い時間、距離
でエンジンかけては停めるという使い方もかなりハードなのです。 エンジンを始動、停止する度
に油膜は切れますし、比較的低温、低負荷で使われることで未燃焼ガスやカーボンでオイルは
かなり汚されます。 これは高速運転とはまた別の意味でエンジンにとっては過酷な状況と考えて
いいでしょう。 ですので、街中オンリーで使用するといっても、できるだけいいエンジンオイル
を選択することが望ましいのです。
車種によってはちゃんと街中での短時間の走行、停止をくり返すことも「シビアコンディション」
として表記されています。
●オイルの交換サイクルですが、もし1年間の走行距離が5000Kmにも満たないのであれば100%
化学合成オイルであれば1年に1度で充分です。 3ヶ月や半年で換える必要はありません。
化学合成オイルというのは一般に考えられているほど酸化はされません。
もし頻繁に交換できる余裕があるのであれば、そのぶんより高価なオイルを使ってやったほうが
いいです。 よく「高いオイルを1年使うよりも安いオイルを3ヶ月おきに交換していったほうが」
なんて話も聞きますが、これは私に言わせれば逆ですね。
●「善いオイル。悪いオイル」の基準というのもよく聞きますね。
人それぞれいろいろな選択基準があるようですが、例えば「この間、これを入れて悪かったから
今回はこのオイルを入れてみよう」とか「このオイルはエンジンのフィーリングがいいから善い
オイルなんだ」とかいう話も聞きます。
ですが、私流の「いいオイル」の判断というのは数万キロにわたって使い続け、なおかつその後、
そのエンジンをバラシてみて、クランクやシリンダー、カム等の慴動面やエンジン内部の汚れ具合
を見てはじめて判断できることだと思っていますので、単純に1回だけ入れてちょっと走ってわかる
などと短絡的に判断できるようなものではないと考えます。
●蛇足ですが、ディーゼルエンジン用のオイルはガソリエンジンには使えますが、その逆はお薦め
出来ません。 よく逆に考えてる人も多いようですがディーゼルエンジンというのは実はガソリン
エンジンに比べるとかなり過酷なエンジンです。 圧縮比が高く、ストロークも長いことから
ピストンとシリンダーの油膜が切れやすく、オイルには極圧性が求められますし、とくに燃料の
関係からカーボンや未燃焼ガスが発生しやすく、エンジン内部はすごく汚れます。
これらを防ぐためにディーゼルエンジン用のオイルにはガソリンエンジン以上の清浄性が与えられ
ています。 ですので、とくに古いガソリンエンジン車で、エンジンの汚れが激しいクルマには
ディーゼル用のオイルをわざわざ入れる例もあるくらいです。 これはフラッシングなんかをする
よりもはるかに効果的だったりします。
●で、結論ですが、「オイルの性能は価格に比例する」と言って過言ではありません。
予算の許すかぎり、できるだけ高いオイルを使ってやりましょう。
因みに私はここ7年ほどMOTULの300Vコンペティション(15W-50)、又は300Vパワーレーシング
(5W-30)を使用し続けています。 チューンドGT-Rでも軽自動車でも車種には関係なく、です。
リッター3000円近くする高価なオイルですが、実績もあり素晴らしく非常にお薦めできます。
ただし!同じMOTUL製品でも安売りされているものは要注意です。 かならず缶の裏を見て
「原産国:フランス」というのを確認してください。
オイルは銘柄は同じでも「産地」でまったく性能は違うのです。 とくにベースオイルを頻繁に替
える某有名メーカーのような製品は要注意です。 原産国にはこだわりましょう。
このへんについては非常にデリケートな話になってしまうし、場合によっては特定メーカーの
製品を攻撃するような内容になってしまうので、ここでは控えたいと思います。
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