●鋳鉄製マニホールドの割れとタフトライドの有効活用についてのひとこと

●エキゾーストマニホールド、とくにターボエンジンのマニホールドにはしばしばクラック(ひび)

が入って、排気漏れを起こしてしまうことがあります。

これは単に熱にさらされることによって割れるのではなく、繰り返しの過熱、冷却による「熱疲労」

によるもので、あとはアフターアイドルを充分に行なっていないことによる急激な温度変化に材料

が耐えられなくなった場合に起きます。 これにエンジンの振動も加わります。

 

●たいていの純正のマニホールドは鋳鉄製ですので、こういったクラックに対しては比較的弱いの

ですが、最近ではRB26等一部のハイパワーエンジンにはSCS材(ステンレス鋳鋼)が使われていて

より耐久性が高いものもあります。

(※鋳鉄と鋳鋼はまったく違うものです。 これについても機会があれば書きたいと思います)

 

●では、鋳鉄製エキゾーストマニホールドの耐久性を高めることはできないものでしょうか?

私も機会があれば試してみたいのですが、手軽に安価に耐久性を高める方法としてタフトライドが

あります。 要するに純正のマニホールドを新品で取り寄せて取り付ける前にタフトをかけてしまう

のです。 タフトライドは以前にも書きましたが、通常の機械的な疲労はもとより、昔から熱疲労

に対しても有効なことが解っています。 まだエンジンヘッドが鋳鉄製だった頃はヘッドごと

タフトをかけることは珍しくなかったと記憶しております。

しかも、タフトはこの鋳鉄製だけでなく、ステンレス鋳鋼や、社外品で多い溶接構造のエキゾースト

マニホールドでも有効で、溶接部からのクラックの発生も低減してくれるはずです。

 

●蛇足ですが極端な話、鋳鉄製のエンジンブロックごとタフトをかけてしまうこともブロックの割れ

を防ぐ効果があるのではないかと思います。 もちろん、処理後に軽く再度面研およびホーニングが

必要ですが、基本的にタフトライドは580°Cまでしか昇温しませんので、鋳物がきちんと焼き鈍し、

及びシーズニングがされていれば理論的には歪みは出ないはずですし。

 

※以上のケースはあくまで私が考える限りで有効ではないかという意味ですので、まだ実際には

テストしたわけではありません。 念のため。

 

●クラックや破損は必ず金属の表面から起きます。 つまり、表面の残留応力をいかに高めてやる

かが鍵になります。 この手段には、手軽なものではサンドブラスト、ショットピーニング、WPC

等がありますが、これらとタフトライドを組み合わせる等の工夫をすることによってさらに効果的に

活用できると考えます。 その他、浸炭や窒化(焼き入れまではしなくてもよい)処理もありますが

私の経験上ではこれらはむしろ失敗するケースもあるので、あまり行ないたくない処理です。

 

ちなみに、タフトライドというのは「塩浴軟窒化」とも言いまして、要は窒化処理の一種です。

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