●チタン材についてのひとこと

チタンと聞くとけっこうマニアックな感じ、で高級感や「強くて軽い」というイメージを

持たれると思います。現在はもうそんなに入手困難でもなく、加工法もだいぶ確立されて

きましたので、ここでは自動車、バイクに多く使われる例でお話しします。

●基本性質

チタンといっても純粋なものは対薬品性を要求される用途にしか使われないので、自動車用と

してはチタン合金として使われます。チタン材の基本性質としては

1)比重に対しての強度が高い

チタン材の比重は4.5前後。ちなみに一般のスチールは7.8〜8なので、約60%ほどの

重量しかない。

しかも同じ重量なら単純に倍ほどの強さ(後述)があるので、用途によっては半分の重量で作る

ことが可能。

2)対腐食性が高い

これは単に錆びにくいということではなく、エキゾーストパイプ等に使われてる例でもわかる通り、

高温時での耐食性が高いのが特徴です。通常は金属は高温になればなるほど表面が活性化するために

酸化され、錆びていくものですがチタンは非常に安定しています。

もちろんステンレス(SUS)以上です。

3)非磁性である

これはいうまでもありませんね。

オーステナイト系ステンレス(SUS303、304、316等)と同様、磁石には付きません。

4)疲労破壊の危険性がある

これは設計上重要なポイントなのですが、確かにチタンは強度が大きいのですが、同時に外部からの

入力によるストレスを限界までため込む性質があり、何の前兆もなく一気に破壊することがあり、

限界設計で使うのは危険であるといえます。 高強度材でも「形有るものはいつかは滅す」です。

例えばブレーキキャリパーの取り付けボルト等、破損してはならない部分には使わないほうが賢明

です。 レース車などではまだ頻繁にメンテナンスやオーバーホールをするので定期的に交換でき

ますのでいいのですが、市販車の場合は安全を第一に考えたほうがいいです。

5)熱伝導率が悪い

このあたりが良くも悪くもチタンの特徴なのですが、放熱の悪さはチタン製マフラーが変色しやすい

ことでもおわかりいただけると思います。

因みに金属の温度はだいたい色で判別がつきます。青であればだいたい200〜250°C、

それを越えて400°Cくらいまでになると紫から黒に変色していきます。これはスチールで

あろうがステンレスであろうがチタンであろうが同じです。

なお、アルミは熱伝導が良いのと酸化被膜が強靭なためほとんど変色しません。

また、チタンは熱膨張も非常に少ないので、クリアランスを詰めて設計することができます。

6)耐摩耗性自体は高いが、かじり、焼き付きをおこしやすい

要はすべりが悪いということです。これには上記の放熱性の悪さも影響しています。

このへんが何とかなればチタンはもっと使いやすい材料になるのですが、現状ではコーティングや

窒化被膜等で表面の対かじり性を向上させるしかないです。

●実際に使う材料

実際に我々が使うチタンは「高力チタン」として分類され、これは日本のJIS規格では規定

されていません。

我々が一般に使う高強度材料としてはTI−6AL−4V(引張強さ120Kg/mm2)という

ものを使います。  通称「64(ロクヨン)チタン」と呼んでいます。

コンロッドやバルブスプリングリテーナ等に使われるのもこれです。

参考までにこの他には

●TI−8AL−1MO−1V(103Kg/mm2)

●TI−6AL−2SN−4ZR−2MO(104Kg/mm2)

●TI−6AL−6V−2SN(125Kg/mm2)

●TI−11.5−MO−6ZR−4.5SN(135Kg/mm2)

等がありますが、国内での入手は困難です。

 

なお、マフラー等に使われるものはこれらとは別種で、ST−40や70等の比較的純チタンに

近いものが使われます。  強度は上記の高力チタンの半分から1/3程度です。

また、チタンは陽極酸化処理を施すことによって非常に綺麗な色彩を得ることができます。

バイクのマフラーによくある虹色や、青系統の色に着色されたボルト等はそれによるものです。

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