●ショートストロークショックアブソーバーについてのひとこと

前の話の続きにもなるのですが、一昔前までは直巻バネや、荒巻のレーススペックのバネを

入れると、大抵のショックアブソーバではバネが遊んでしまいましたよね。

今まではこれを解決するためにショックアブソーバのケースやロッドを短くして「対処」している

ことが多く見受けられました。

しかし、これでは前述の「伸び側のストローク」が不足して、サスペンションとしての性能低下を

もたらします。サーキットなどではむしろいい場合もありますが、とくに路面状態の悪い街乗りでは

「ピョコピョコ」跳ねるような感じで、決していいものでもありません。

しかし、これ以外にもこの方法はショックアブソーバーの性能低下をもたらす要素があります。

ショックアブソーバーの内部構造と動作原理を少しでも知ってる方ならご存じだと思いますが、

ショックアブソーバーは、路面からの入力やコイルスプリングの反発力などの入力エネルギーを、

オイルの抵抗として受け止め、そのオイルとピストンの摩擦によっておこる「熱」というかたちで

大気中に放出します。

これはブレーキが制動による摩擦エネルギーを熱エネルギーに変え、大気に放熱するのと同様です。

つまり、ショックアブソーバーは一種の「エネルギー変換器」ですので、蓄え、変換できる

エネルギー量はその内部容量に左右されます。極端な話、容量が多ければ多いほど有利なわけです。

ここまで書けばおわかりのとおり「ショートストローク」と称して短くケースをカットしたショックは、

本来必要なオイル/ガス量をわざわざ減らしてるようなものなのです。

とはいえ、直巻バネと組み合わせる以上、多少はノーマルより短くしなければならない場合も多い

ことが実情です。

もちろんアフターメーカーはノーマルよりもショックのシリンダー径を大きくしたりして努力を

されていますが、それはそれでさらに上のレベルで使ってあげたいと思うものです。

そこで我々は市販車に対しての対策として5年ほど前から「オフセットアッパーマウント」という

のを使ってきました。  今ではもう一般的ですね。

これはノーマルのアッパーマウントよりも、ショックアブソーバー上部の取り付け部を30〜50mm

上げ、低車高化によって減ったストロークを確保するとともに、汎用の直巻バネを使用した場合にも

ショックのカット量を最低限で済ませられるようにしたものです。

もっとも、最近は前述のダブル/テンダースプリングが一般化してきたので、ここまでオフセット化

は必要なくなりましたが。

 

因みに最近多い、「ただ遊ばせないだけのローダウンスプリング」は問題外です。

ストロークや車高はバネで解決する問題ではありません。あくまでサスペンションリンク、ロッド、

マウントの方で考えなければならないのです。

スプリングでなんとかしようと言うのは、考える「方向性」が根本的に間違っているのです。

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