●ピロボールアッパーマウントについてのひとこと

「ピロアッパー」と一般に呼ばれているピロボールアッパーマウント。

多分皆さんの中にも使ってる方も多いと思います。

でき上がってる品物を見ると結構簡単な構造で、そんなにたいしたことないモノ

に見えると思いますが、設計に当たっては結構気を使うモノでもあります。

私がまず一番大事にしているのは「剛性」です。レース車のアッパーマウントを

見ていただくと解りやすいのですが、結構厚みを持たせてます。ちなみに私が設計する

場合も、通常のアッパーマウントでも一番薄い部分でも最低10〜15ミリは確保します。

もちろん車両によっては寸法的に無理が生じますので、これより薄くしなければなりません。

その場合は材質をスチール系の物に変えます。

アッパーマウントというものは単に車体とショックを繋げるだけの部品ではありません。

サスを通じて路面から直接力が車体に入力される入り口であり、コーナリングでの横G、加速や

ブレーキングでの縦Gを確実に受け止めるためのベースであり、想像以上の力が掛かる場所なのです。

よくある市販のたかが5ミリ程度のアルミ(多くはジュラルミン17Sですが、剛性は変わりません。

アルミやジュラルミン材については別の機会に説明します)ではこの強度、剛性はとうてい確保

できません。場合によってはこの剛性不足が操縦性にさえ影響を与えるほどです。

これがノーマルのようにゴムブッシュを介して取り付ける方式であれば、まだ瞬間的な衝撃は

緩和されるのですが、ピロボールを使用するアッパーマウントとなるとその衝撃はかなりのものと

なります。さらにこれがフロントのストラットタイプの場合はステアリングによる旋回運動も

同時に負担しなければならない上、場合によってはキャンバー調整機構も設けなければならないため

複雑かつ、高剛性、高強度が要求されます。

本来はこのステアリング操作による旋回運動と、サスペンションの上下動に伴う揺動運動は別々の

ベアリングにて負担させるのが理想ですが、多くのピロアッパーはコスト的な要因でひとつの

ピロボールベアリングにて負担させてしまっているのが現状です。

このため粗悪なピロボールや、摩耗が進行したピロボールになるとステアリング操作が重くなったり、

異音がするなど不都合が出てくるので注意が必要です。

そのため、このピロボールベアリングは消耗品と考えてください。

なお、このピロボールベアリングは本来は航空機のリンケージ用に開発されたため、

別名エアプレーンベアリングとも称されます。 このため通常使用されるものはミリサイズよりも

インチサイズのほうが流通としては多いですね。

メーカーとしてはNMB製が一般的でして、逆にここ以外の製品は荷重強度的に満足いくものが

あまりありません。

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