
●スパッタリングメッキとメッキ塗装との違いについて
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●問い合わせの際によく「メッキ塗装をお願いします」というメールをいただきます。
また、業者様などからも「メッキ塗装は耐久性に問題がありますよね?」という問い合わせも
よくいただきます。
また、過去にメッキ塗装をおこなった経験のある方は「変色する」「皮が剥けるように剥がれる」
などの経験がある方が多く、良いイメージを持たないかも知れません。
これらはメッキ塗装特有の現象ですが、当方でおこなっているスパッタリングメッキというのは
このメッキ塗装とは基本的に異なり、メッキ方法もメッキに使用する金属も違います。
結論から言いますと、メッキ塗装に比べると、当方でおこなうスパッタリングのほうが耐久性、
密着性などに於いては優れています。
●メッキ塗装というのは、銀鏡反応という一種の還元反応を利用した方法で、要は普通の鏡の
製造工程で使用される方法と同じものです。 水を使うので、水性メッキなどと呼ばれている
ものもこれと同じです。
このメッキは、鏡の場合はガラス板の裏側からメッキしますので、表面はガラス面で保護され
ていますので、問題はないわけです。
ですが、これを車やバイクの外装パーツに使用する場合は当然裏側からはおこなえませんので、
表側から同様の銀鏡反応によってメッキ面を生成するのですが、ここでまずスパッタリングとの
大きな違いが生じます。
スパッタリングの場合は、下地面全体にメッキ層が「接着」されますので、基本的に全面に密着
力が生まれますので剥がれにくい(ただし、塗装には劣ります)のですが、メッキ塗装の場合は
全面に接着されませんので、言ってみれば表面にメッキ層がただ「乗っているだけ」なのです。
つまり、メッキ層が表面に接着されていないので、たとえば端のほうがちょっと剥がれると、
まさに皮が向けるようにペラペラと剥がれてしまうのです。
では、メッキ塗装の場合はどうやって密着させているのかと言いますと、基本的にその表面を
保護するためにおこなうクリアー塗装によって押えつけているだけなのです。
これでは剥がれやすくて当然です。(もちろん、業者によっても技術に差はありますが)
●さらに、メッキ塗装の場合は早ければ数カ月でメッキの色が黄色っぽく変色(黄変)したり
焼けたような褐色になってきてしまうこともあります。 このへんの耐久性もスパッタリング
に比べてかなり劣ります。
「黒っぽいメッキと指定したのに、赤っぽい、茶色っぽい、紫っぽい色になってきた」という
のもメッキ塗装特有の変色によっておこる現象です。
メッキ塗装はメッキ直後はちゃんとした色が出ていても、お客様の元に届く数日の間にさえ
変色してしまうことがあります。
なぜメッキ塗装はここまで耐久性がないのかと言いますと、上記で書いた鏡の場合は、表面は
厚いガラスで保護されますし、裏側は銅メッキで保護したうえさらに樹脂塗装で2重に保護し
ますので、空気中の水分やとくに銀の大敵である硫黄分から守られますので、長期に渡って
輝きを持続できます。
ですが、クルマやバイクの外装パーツにメッキ塗装を使用する場合は、裏側はガラスに比べて
密度が低く柔軟性のある樹脂ですし、表面はただ単に薄いクリアーで保護されているだけです
のでメッキ層の銀が硫化されて変色したり、このクリアーがちょっと傷ついたりするだけでも
簡単にメッキ層が侵されてしまうわけです。
ですので車やバイクの部品にメッキする場合は、メッキ塗装は決して向いているとは言えず、
まだスパッタリングメッキのほうが耐久性、耐候性はあります。 ただ、スパッタリングメッキ
が万全というわけではありません。あくまでも「メッキ塗装よりはスパッタリングのほうが上」
だということです。 なんといってもメーカー純正のクロームメッキが仕上がり、耐久性など
トータルでいちばんなのは言うまでもありません。

↑これは他の業者様でおこなった「メッキ塗装」部品で、見ての通り黒っぽく焼けた
ような色をしていますが、はじめからこの色だったわけではなく、メッキ直後は普通の
クロームメッキ色だったものです。それが数カ月のうちに硫化変色してこんなに真っ黒に
なってしまったのです。 もちろん、世の中のすべてのメッキ塗装がこんなに酷いわけ
ではありませんが、一例として載せておきます。
●当方では樹脂パーツ(ABS、PP、PC、アクリル等…、FRP、CFRPなどが多いですが、多少
問題はありますがウレタン樹脂などもおこなったことがあります)へのメッキはメッキ塗装
ではなく、スパッタリングメッキによるメッキを主流にしております。
自動車メーカーの純正部品の材質についてはほとんど問題ないことが多いですが、社外品に
多いFRPなどの場合、メッキすることは可能なものの、素材の質などによって仕上がりに問題
の出るものもあります。
また、パテ修正されたものやウレタン塗料ではなくラッカー系塗料、水性塗料で塗られたもの
もメッキするとシワが出たり気泡が出たりと問題の出るものもあります。
また、昔の車のエンブレムなどに多用されたアンチモニ(亜鉛ダイキャスト製品)などへの
再メッキもスパッタリングにておこなっています。 これは、亜鉛合金の場合は再クローム
メッキの場合、剥離の際に溶けてしまうことと、仮に再クロームしてもメッキが浮いたりして
綺麗に仕上らないことがほとんどだからです。 ですので、当方では亜鉛合金のものには
樹脂と同様にスパッタリングにて処理しております。
●上記にはメッキ塗装に対してスパッタリングメッキの優位性について書かせていただきました
が、これはあくまでもメッキ塗装に対してのメリットであって、たとえばメーカー純正のメッキ
や塗装などと比べるとスパッタリングメッキも品質的に決して満足いくものではありません。
やはり塗装などと比べると密着性や柔軟性には劣るところがありますし、ちょっとした擦り傷
なども目立ちやすかったりするデリケートな面もありますし、高温に対しての耐性や溶剤に対して
の耐性の限界、また、仕上り面で言えば形状によってはザラつく箇所もできますし、ホコリの
付着なども残念ながら避けられません。
当方もできる限り事後のトラブルを避けたい意味から、メリットと同時にデメリットもできる
だけ事前に理解していただくようにメールなどでの問い合わせの返答にはなるべく詳しく書く
ようにいたしております。
とはいえ、求められる品質はお客様によってかなり異なりますので、言葉だけで説明、理解して
いただくのは難しいのですが、いずれにいたしましてもメーカー純正部品のような仕上り品質を
実現するのはまず無理であることだけはご理解ください。 素材、形状、工程など様々な理由に
よりどうしても妥協していただかないとならない部分があることは避けられません。
→スパッタリングメッキの詳細な説明についてはこちらのページをご覧ください。
●最後に、スパッタリングに対してメッキ塗装の唯一のメリットも書いておこうと思います。
それは、メッキ塗装は特殊な装置などが必要なく、低価格でキットが購入できることと、作業
するのに塗装ブースと同様の場所さえあれば作業できるので、ワーク大きさに制限がないという
ことです。
対してスパッタリングの場合は専用の密閉された設備が必要なため、それによって大きさが
制限されてしまう難点があります。
当方の場合で言うと、直径が500mmちょっと、高さが1400mm程度(実際には長さは1200
mm程度までで、それ以上だと両端部にメッキがつかない部分ができることがあります)の
ドラム缶のような形状になりますので、この中に入ってなおかつ回転させることができるもの
である必要があるのです。
具体的に言うと、ホイールサイズでいうと20インチまで、バンパーやグリルなどは、通常は
1200mm、めいっぱいで1300mm(ただし1200mmを超えると両端にメッキのつかない部分
ができることがあります)の長さまでということになります。
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