●タフトライドについての注意事項

●当方では「タフトライド」および「タフトライドSQ」を受け付けております。

↑オートバイ用カムシャフトにタフトライドをかけた例。 耐摩耗、耐カジリ性の向上

の他、摩擦抵抗の低減にも効果があります。

 

●タフトライドの概要

タフトライドとは別名を塩浴軟窒化処理といい、窒化硬化処理の一種です。 最近では

タフトライドと言わずに「イソナイト」と呼称されることもありますが、基本的に同じ

処理です。「タフトライド」「タフトライト」「イソナイト」はともに商標名で、名前

は異なりますが、処理内容は同じものと考えていただいてかまいません。

約570度〜600度の塩浴(ソルトバス)に被処理物を1時間半〜3時間ほど浸けて

表面にごく薄い窒化層を形成することによって表面を硬くすると同時に、圧縮残留

応力を生じさせることで金属疲労に対する耐性も大幅に引き上げることができます。

また表面の摩擦抵抗も低くなりますので、摺動部に用いると効果的です。

なお、表面の色は灰色で、基本的には処理後そのまま使用しますが、必要に応じて

タフトライド後に軽くバフ研磨やラップ作業で磨いてから使用することもできます。

とくに表面の平滑さが求められる場合はバフ→タフトライド→バフとおこなうと良い

でしょう。

↑タフトライド処理の具体的な工程(温度×時間)表の一例です。

 

●タフトライド皮膜の硬さ

材質にもよりますが、通常の炭素鋼〜合金鋼(S45C〜SCM材)でHRc50〜60程度、

ダイス鋼(SKD)やステンレスではHRc60〜70と非常に高い硬さ(硬度)が得られます。

これは抽象的に言うとヤスリで削ったり、ドリルで穴を開けるのも困難な硬さです。

 

●タフトライド皮膜の厚さ(深さ)

タフトライドの窒化皮膜層自体は比較的薄く、表面から0.01mm〜0.03mm程度です。

ただ、その下0.05mm程度までは半硬化層が存在します。

 

●タフトライド可能な材質

一般的な鉄、鋼、ステンレスのすべてが可能です。

↑<参考> 高力チタン(Ti-6Al-4v)製バルブスプリングリテーナーにタフトライド

をかけた例です。 チタン特有の欠点であるカジリ、焼き付きの防止に大きな効果を

発揮しました。 ※ただしチタン材へのタフトライドは非常に特殊な工程のため、できる

時とできない時がありますので、その都度相談の上でとなります。

<追記> チタン専用の表面硬化処理「FG処理」でタフトライド以上の硬さ、耐摩耗性

が得られます。 詳しくはこちらのページ→「チタン専用表面超硬化処理 FG処理」

 

●タフトライド後の寸法変化および歪みについて

タフトライドによる寸法変化(太り、痩せ)につきましては、通常は変化なしか、

太っても0.01mm程度ですので、よほど高精度なものでない限り問題は少ないです。

また、歪みについてですが、内部に残留応力のある品物の場合はタフトライドの処理

温度に上げることによってその応力が開放されて歪みを生じることがありますので、

処理後は歪み取りや曲がり直しをおこなっていただかないとならない場合があります。

なお、この歪みや変型を防ぐためには、部品製作時に一次加工後の時点で一度、応力

除去の意味で調質処理や応力除去焼き鈍ましを行って、素材に残る残留応力やその後

の加工による加工応力の残留を最小限にしておくことをお薦めいたします。

こうすることでタフトライド処理後の歪みや変型を最小限にすることができます。

 

●熱処理(焼き入れ)済み鋼材の注意点について

タフトライドは前述の通り、処理温度を600度近辺まで上げます。

つまり、たとえば通常の炭素鋼や合金鋼の焼き戻し温度(200度前後)よりもはるかに

高い温度に上げることになりますので、硬さがHRc40以上に焼き入れされた鋼材などは

内部の焼き入れ硬さ(硬度)が落ちることがあります。

このことから通常、タフトライドは調質程度(HRc40以下)の鋼材に処理すること

が一般的です。

↑ホイールハブのタフトライド処理例。 材質はS45C相当鍛造材。

 

↑鋳造エキゾーストマニホールドにタフトライドをかけた例。

耐クラック、耐高温酸化性に効果を確認中(テスト中)。

 

●タフトライドSQについて

通常のタフトライドでも亜鉛メッキ程度の防錆能力はありますが、タフトライドSQ

処理を施すことによってこの防錆能力をさらに高めることができます。

SQの防錆、防蝕性能はクロームメッキ以上という試験結果もありますので、とくに

錆びに対処する必要のある部品にはタフトライドSQは有効です。

なお、タフトライドSQの表面は艶消しの黒色となります。

↑タフトライドSQを施した例。 材質はSS400。

 

●納期、金額について

タフトライドの処理価格はたとえば冒頭のカムシャフトの場合で1本5000円から

8000円程度となります。 あとは数量や大きさによってその都度変わります。

同じようなものでも数量が多くなれば多少ではありますが単価は下がります。

なお、SQの場合はやや高くなりまして通常のタフトライドの1.5倍から2倍程度に

なります。

納期は、通常1週間から10日間程度です。(年末年始、大型連休などは除く)

※ただし、ステンレスや特殊材などは通常より日数がかかる場合があります。

 

●以上ですが、より詳しい説明はメール等でのお問い合わせの際に追加でご説明いたします。

お問い合わせ、ご発注は以下のメールアドレスおよび問い合わせフォーム、携帯電話にて。

→メインのメールアドレス SASAMIC43@aol.com

→サブのメールアドレス FZB04140@nifty.ne.jp

→webブラウザからの問い合わせフォーム

→携帯電話 090-1531-3609

 

メッキ受け付けページに戻る

トップに戻る | 製作加工可能材質 | ひとこと | 今までの実績 | お支払いとか

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送